去年の10月に書きかけた文
みかんは指で簡単に皮がむける。甘いのに爽やかなにおいがしてとっても美味しい。白く薄い膜に覆われた艶やかな実は一粒一粒がはち切れそうなほどミチっとしていて、それを奥歯ですりつぶすことを考えると少し楽しい。
人間の身体もこのように簡単に拓けたならばよかったのに、と思う。でも動物として動き回るのにそれは不自由で良くないのだろうなあ・・・。ぐずぐずになってしまう。
今回、文章を書いてみることにした。いつも考えていることをまとめてみたいと考えたからだ。そのテーマは”暴力”。自分でも十分に解っていることと思うが、自分の暴力観は他者と比べてわずかばかり逸脱している。
そもそも、暴力とは?
暴力とは故意に振るわれる力のことだろう。
大辞泉によると次のように示されている。
ぼう‐りょく【暴力】
1 乱暴な力・行為。不当に使う腕力。
2 合法性や正当性を欠いた物理的な強制力。
いかにも野蛮な感じだ。そしてなんとも罪深い行いのよう。
しかし果たしてそうなのだろうか。
現在、自分が暴力をぶつける対象は自分自身のみだ。しかしいつかは誰か別の人間を痛めつけることができたらと思う。機会があればそうするだろうか?いやきっとできないだろう。ずっとこの鬱屈した欲望を頭の中に隠して生きていくのだろう。